オケラ・ホソバオケラ(キク科)
オケラは、日本各地の山野に自生する多年草で、以前は身近な植物だったので、「山で美味いはオケラにトトキ(ツリガネニンジンのこと)」と言われ、山菜として珍重されていた。
漢方では、根茎を白朮(ビャクジュツ)といい、中国原産のホソバオケラの根茎を蒼朮(ソウジュツ)といって、様々な処方に応用されている。
ただ、処方によってどちらを使うかは考え方によって異なるので、同じ処方であっても違う場合がある。
両者の作用は少し異なるが、基本的には体内の水分の偏在を調える働きがあり、五苓散、六君子湯、平胃散、当帰芍薬散、桂枝加朮附湯など頻用処方に広く使われている。
また、新年を祝うお屠蘇や京都八坂神社の白朮祭(おけらまつり)など、古くから無病息災の目的で用いられてきた。