カラスビシャク(サトイモ科)
カラスビシャクは、路傍や田畑のあぜ道などで普通に見かける、繁殖力の旺盛な多年草で、地中深くに指の頭ほどの球状の根茎がある。
初夏に緑色の花柄をだし、その先に仏炎苞に包まれた肉穂花序をつける。
仏炎苞というのは、サトイモ科の特徴で、ミズバショウの白い部分がこれにあたる。この仏炎苞の形をカラスが使う柄杓に見立てて、烏柄杓(からすびしゃく)と名付けられた。
漢方では、球茎の外皮を去ったものを半夏(ハンゲ)といい、鎮嘔・鎮咳・去痰などに働き、例えば、嘔吐・下痢に用いる半夏瀉心湯、咽の不快に用いる半夏厚朴湯、頭痛・ふらつきに用いる半夏白朮天麻湯、食欲不振に用いる六君子湯、鼻水・咳に用いる小青竜湯など多くの処方に応用されている。