クズ(マメ科)
クズは、中国、日本などの山野に自生する多年生蔓性草本で、樹木などにまとわりつき、広範囲に広がる。地中に太く大きな根ができ、良質の澱粉を含んでおり、吉野葛に代表される葛粉の原料となる。
漢方では、この根を葛根(カッコン)といい、板状に割って乾燥させたものを板葛根、サイコロ状に刻んで乾燥させたものを角葛根という。
発汗、解熱や筋肉の緊張を緩める働きがあり、特に項から肩にかけての強ばりは、葛根を使う目標である。
風邪薬で有名な葛根湯、五十肩に用いられる独活葛根湯、下痢に用いる葛根黄芩黄連湯などに応用されている。
また、クズの花は葛花(カッカ)といい、酒の中毒に用いられる。葛粉を溶かし、生姜を加えた葛湯は、体を温め、風邪や下痢に用いられる。