コブシ(モクレン科)
早春に枯れ木のような木の枝から、真っ白な大きな花を咲かせ、春の訪れを告げるのがコブシの花で、農作業の目安にしている地域もある。
コブシによく似た仲間にタムシバというのがあり、花が咲いたとき一枚葉がついているのがコブシ、ついていないのがタムシバと区別できる。コブシという名前は、蕾の形が子供の拳に似ているなどの説があるが、はっきりしていない。
漢方ではどちらの蕾も辛荑(シンイ)といい、非常に香りがよく、首から上の症状(頭痛・めまい・鼻づまりなど)に用いる。
鼻炎や蓄膿症に用いる辛夷清肺湯・葛根湯加川芎辛荑などに用いられる。中国産の辛荑は、モクレン科のハクモクレンやシモクレンの蕾で、日本産のものと形状は違うが、同じように用いられる。