スイカズラ(スイカズラ科)
スイカズラは、日本各地や朝鮮半島、中国などに分布する、半常緑の蔓性低木で、春に管状の花をつける。花を引き抜き、付け根を静かに吸うと良い香りと甘い味があることから吸い蔓(すいかずら)と名付けられた。
漢方では、蕾を金銀花(キンギンカ)、葉と茎を忍冬(ニンドウ)という。
金銀花は、花の咲き始めは白いが、のちに黄色に変わることから、忍冬は、寒い冬に耐え忍んで半常緑を保つことから名付けられた。両者はともに、解熱・消炎・解毒・利尿などに働き、金銀花は、各種の炎症に用いる荊防敗毒散や慢性の化膿性疾患に用いる千金内托散、のどの痛みの風邪に用いる銀翹散などに応用される。
忍冬は、頭部のできものに用いる治頭瘡一方、難治性のできものに用いる紫根牡蛎湯に用いる。